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代表取締役 田中 慎也

2015.12.25

家の断熱性能をどう考えるか

こんにちは!

おかげさまで創業66年。

子育て世代のための自然素材・木の家専門店

田中建築株式会社 三代目 代表の田中慎也です。

 

断熱材は何を使っているのですか?


完成見学会でよくこんな質問を受けます。

私はそんな時「断熱材にご興味がお有りなのですか?」と質問します。

 

多くの方は「いや、今の家(アパート)が寒くて

新築するならあたたかい家にしたいと思って。」とお答えになります。

 

また「外断熱と内断熱はどちらがいいのですか?」という質問も良く受けます。

外断熱、内断熱どちらでも正しく施工すれば大丈夫ですよ。」とお答えします。

 

ごくまれに、「Ua値はいくつですか?」と数値を聞かれることもあります。

でもお客様はUa値を理解しているわけではなく

他の会社と断熱性能を比較するために聞いているのです。

お客様は、本当は断熱材の種類や数値を聞いている訳ではなく

家があたたかいかどうかを確認したいのだと思います。

 

断熱材の種類は、グラスウールやロックウール

セルロースファイバーやフェノールフォームなど様々で

 

31種類に分けられています。

 

種類によって性能(熱の伝わりにくさ)が違います。

また、厚さを厚くすることによってその性能が高くなります。

 

つまり、断熱性能は「熱の伝わりにくさ×厚さ」によって決まるのです。

 

同じ性能をだすためには熱が伝わりやすいものは厚く

熱の伝わりにくいものはその分薄くできるということです。

 

また、熱の伝わりにくい断熱材をどんどん厚くしていけば人間の体温や照明から出る熱

料理をする時の熱だけで暖房ができる「無暖房住宅」も可能になるわけです。

 

しかし、もう一つ考えなくてはならないことがコストです。

お金さえあれば、無暖房住宅は可能です。

 

でも限られた予算の中で、どうすればあたたかく、コストがかからない家を作ることが出来るのでしょうか?

 

ストには二種類あります。

作る時にかかるコストと作った後のコストです。

 

つまり、建築費と光熱費の関係です。

 

実は平成25年10月1日新しい住宅向け省エネ基準がつくられました。

なんと14年ぶりの改正です。

今までは、家の断熱性能だけを計算していました。

 

しかし、それはどんな暖房や冷房を使ってどのぐらいの光熱費がかかっているかを考えてはいなかったのです。

 

今度の改正で家庭で消費される冷暖房、換気、照明、給湯、家電等のすべてのエネルギーを合計して

さらにそれを化石燃料や原子力、水力などから作られるエネルギーの量に換算してから

家の断熱性能を考慮し、光熱費を計算することができるようになったのです。

 

例えば、今まで住んでいた家と新しく新築した家の光熱費の差が月々8000円だったとします。

 

2000万円を金利1.85で35年返済にして借りた場合月々の返済額は65,000円となり

2200万円を金利1.85で35年返済にして借りた場合月々の返済額は72,000円になります。

 

200万円多く借り入れをして性能をアップさせたとしても

光熱費が月々8000円お得になれば差し引き1000円お得になります。

 

これは、あくまで計算上のお話ですが

断熱性能と光熱費のバランスをとりながら最適な家を作ることができます。

 

あなたがこれから新築を考えているとしたら

断熱材そのものを比較するだけでは十分ではありません。

 

断熱材を何にするのかではなく、どのくらいの断熱性能の家を

いくらで建てて光熱費がいくらかかるのかを検討することが大切なのです。

最新の省エネ基準の改正でそれが可能になったのですから。

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