ブログBLOG
代表取締役 田中 慎也
2016.03.31
「太陽光発電で住宅ローンの返済をする」は要注意!
こんにちは!
おかげさまで創業67年。
子育て世代のための自然素材・木の家専門店
田中建築株式会社 三代目 代表の田中慎也です。
太陽光発電と住宅ローンの関係で大切な4つのポイント
「月々45,000円の支払いで夢のマイホームが・・・」
といったチラシを見たことがありますか?
「そんな金額で家が建つの?すごい!」
と興味をもつ方もいらっしゃると思います。
どういうカラクリかといいますと
住宅ローンは普通に組んで、太陽光発電で売電した分を
ローンの返済に充てるというものです。
例えば、2500万円の住宅ローンを35年返済 金利1,3%で組んだとします。
そうしますと、月々の返済額は約74,000円になります。
太陽光発電システムを10.6kw乗せたとして
10年間の固定買取制度を利用すると、売電価格は33円/kWhになります。
長野県 長野市で発電量をシミュレーションしてみると
年間の発電額は 353,461円になり、月々の平均額は約29,000円となります。
簡単にシミュレーションできますよ。
http://sv2.lixil.co.jp/simulation/
月々の返済額74,000円から29,000円を引くと
45,000円となり計算は成り立ちますね。
でも・・・。
これには気をつけなければならない、4つの重大なポイントがあります!!
そこをしっかり確認しないと、将来ローン破綻します。
ポイント①
太陽光の発電量及び、売電の額はあくまでシミュレーション上のものであること。
太陽光発電はご存知の通り、天候や立地条件に左右されます。
例えばその年が、雪が多い年であれば年間発電量は当然少なくなります。
また、近くに高い建物や大きな木があり、
屋根が日陰になることが多い場合も発電量は少なくなります。
ちなみに、これは専門的な話になりますが、
太陽光パネルは、複数の系統ごとに直列に接続されているため、
その中の一枚に影がかかると、陰の部分が電流の流れを妨げるため
一部の影でもその系列全体に影響を及ぼします。
つまり、全体の5%に影がかかったとすると、発電量は5%落ちるだけでなく
それよりも多く発電量が落ちることになります。
ですから、発電のシミュレーションを鵜呑みにしてはいけません。
ポイント②
季節によって発電量は変わる。
これもまた当然のことですが、
冬になれば太陽光は発電量が極端に少なくなります。
ということは売電額も少なくなるわけです。
太陽光の売電額を計算して
月々の返済額45,000円だったものが
50,000円にも55,000円にもなるわけです。
ポイント③
メンテナンス費用が必ずかかる。
太陽光発電システムは直流で発電されます。
住宅で使うためにはそれを交流に変換しなければなりません。
その役目を担っているのが、パワーコンディショナーとよばれる機械です。
通称「パワコン」です。
これが、平均して10年でメンテナンスが必要になります。
パワコンをそのまま交換しなければならないこともあります。
交換になると、一台に付き25万から30万円かかります。
今回のシミュレーションのように
10kwの太陽光発電パネルを乗せた場合、パワコンは2台必要になります。
つまり、メンテナンス費用は2倍かかるということですね。
ポイント④
これが最大のポイントですが、10年の固定買取制度を利用した場合や
20年の固定買取制度を利用した場合、終了後はどうなるか?
その後の買い取り価格は一気に下がります。
おおよそ1kwhあたり11円とされていますが、確実ではありません。
つまり、1/3以下の額になる可能性が高いということですね。
ということは、最初の10年間は45,000円の支払い位で済んでいたものが
残りの25年間は約65,000円の支払いになるということです。
これで無理なく住宅ローンを返していけますか?
以上、4つのポイントから、
太陽光発電は、不確定要素が多いことがおわかりいただけたでしょうか?
確実なのは、住宅ローンが35年間続き
月々74,000円支払わなければならないということだけです。
是非そこをしっかり理解していただき、
太陽光発電で売電したものは、ローン返済の一部として考えるのではなく、
銀行口座を別にするなどして、パワコンのメンテナンス代や
住宅ローンの繰上げ返済、家族旅行に使う分として貯めておくのがいいかもしれませんね。
私たち田中建築株式会社は、
「家づくり」を「幸せづくり」にするという信念があります。
それを実現するための方法は、しっかりと未来を見据えたハウジング計画と
自然素材をふんだんに使ってデザインされた木の家です。
同じ志を持った協力業者と共にお客様の思いに寄り添う、顧客密着の工務店です。
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