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代表取締役 田中 慎也

2016.02.06

なぜ、木目を人工的につくるのか?

こんにちは!

おかげさまで創業66年。

子育て世代のための自然素材・木の家専門店

田中建築株式会社 三代目 代表の田中慎也です。

 

進化する木目の技術

先日、コンビニエンスストアのトイレに入って思ったことです。

 

最近、新築された某コンビニのトイレは木目のきれいなパネルで作られています。

床も木目調のタイルで作られていました。

 

また、各建材メーカーも本物により近く見える木目のプリントの建具や、床材を開発しています。

一般の方が見ると本物と勘違いするような仕上がりです。

最近の技術の進歩はすごいですね。

 

 

でも、よく考えてみると住宅なら、そもそも本物を使えばいいんじゃないの?と思います。

 

あるアンケート結果によると住宅を新築するなら木造住宅がいいという方が全体の6割から7割いらっしゃいます。

やはり、木のもつあたたかなイメージや木の香りのイメージが癒しの空間をつくるといった理由だと思います。

 

では、お客様のニーズがあるのになぜ?本物を使わないのか?

 

それは本物を使えない理由があるからです。

もちろんコンビニのような不特定多数の人が使う場所には本物は適しません。

手入れが行き届かず、痛みが早いからです。

 

 

では、本物を使えない理由とは何でしょうか?

その理由は次のようなものです。

 

・大量生産ができない。

・品質を安定させるのが難しい。

・現場での施工の手間がかかるなどです。

大量生産できないと、多くの材料を供給できません。

多くの材料を供給できないと大きなメーカーは利益を出すことが出来ないんです。

 

 

また、本物の木は品質を安定させるためにコストがかかります。

なぜなら、木も一本一本、木目や変形の仕方などが違うからです。

 

これを安定させるには特殊な技術が必要になりますし、そういった商品は本来の良さを失ってしまう場合もあります。

ですから、本物を使わず安定した品質が得られる人工的に作られた物を使わざるをえないのです。

 

さらに、現場での施工手間もかかります。

たとえば床板です。

 

合板フローリングは見た目は10cmに板が並んでいるように見えますが

実はつながっていて30cmが一枚になっているものが主流です。

 

一方、無垢のフローリングは一枚が9cm~15cmです。

これを貼るためには、単純に手間が3倍かかるということなのです。

 

 

そのようなことから、ハウスメーカーさんやローコストビルダーさんは本物を使うことよりも、

クレームが少なく、低コストで、工期が短くなる建材を選ぶのです。

 

しかし、我々のようなプロが自分の家を建築しようとしたときなるべく本物を使います。

なぜなら、本物は長持ちし、味があり、健康にいいことを知っているからなのです。

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