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アドバイザー 齊藤 芙悠子

2024.06.05

家と木のこと

こんにちは。
おかげさまで創業75年。
自然素材の木の家専門店 田中建築株式会社 
アドバイザーの齊藤 芙悠子です。

私たち田中建築は、本物の木にこだわった家づくりをしています。
基礎にヒノキ、柱にスギ。長野県産の木で、今は主に山ノ内町から伐り出した木から芯の部分を使っています。急斜面も多い長野の山から伐り出される木は決してそれだけで考えると安くはないのですが、地元の、本物の木にこだわっています。

そんな中で、少し前から材木屋さんに木のこと、それを生み出す山のことを教えていただくようになりました。

たとえば、1軒の家を建てるのに山の木を何本伐るのか?

なんと200本も伐るのだそうです。家の材料に使う木は、植林して育った木の中でもまっすぐに伸びている木を使います。木は生き物ですから、日当たりや生まれ落ちた場所の傾斜のぐあいなどによって曲がったりして育ちますので、都合よく真っすぐ育つような木はそんなに多くないそうです。だからと言ってまっすぐの木だけを選んで伐採するわけにもいきませんので、ここの木を伐るとなったらとにかくみんな伐るのですが、だいたい200本くらい伐れば、そこから柱含めて家1軒の材料が切り出せるということなのだそうです。ちなみに柱の材料として適しているのは樹齢30-40歳の木で、それ以外の年齢の木も適材適所、活躍の場があるそうです。たとえばいったん細かくして合板に貼り合わせられたり、紙になったり、きのこのおがになったりバイオマス発電の材料になったりと、いろいろな用途に使われます。無駄になる木のないように、伐採するだけでなく、伐採した木の行き先を決めているのが森林組合の方たちなのだそうです。

長野の山はこれまでの人と山のかかわりの中でスギ・カラマツ・アカマツ・ヒノキの4樹種が植えられていますが、1つの県の中でこの4樹種が植えられているというのは林業という点で貴重なのだとか。ただし、将来使うつもりで急峻な斜面にまで多く植えられた主にスギの木が、実際には建築材料適齢期の30-40歳ころに伐り出されることなくそのまま成長して75歳以上の高齢木となり、花粉症の原因にもなっているのだそうです。木の成長のサイクルと、人間の木の活用のサイクルがずれてしまっていた長野の山ですが、利用するために伐り出すことで、木を植えて、新しい人と山のサイクルで森づくりをスタートすることができます!長野の木で家を建てることは、もしかすると未来に向かって、新しいサイクルの森づくりにもつながっているのかもしれません。田中建築も、少しずつではありますがそんな森の未来と、子どもたちの未来の長野が重なる日を目指して、家づくりをしていけたらと考えています。

私たち田中建築株式会社は、 「家づくり」を「幸せづくり」にするという信念があります。
それを実現するための方法は、生涯に渡るお金の計画を立て実行すること、
自然素材を使ってデザインされた高性能な木の家を建てることだと信じています。
同じ志を持った協力業者と共に お客様の思いに寄り添う、顧客密着の工務店です。

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