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代表取締役 田中 慎也

2025.02.16

長野の雪が多い場所での耐震診断について

こんにちは。 おかげさまで創業75年。 
自然素材の木の家専門店 田中建築株式会社
 三代目 代表の田中慎也です。

今回は、お家の「耐震診断」についてお話ししたいと思います。地震の多い日本では自宅の耐震性能を把握することは非常に重要です。特に雪が多い北信地方では積雪荷重のことも考慮しなければならないためしっかりと耐震を高めることが大切です。

しかし、「うちは大丈夫だろう」と思い込んでいる方も多いのが現実です。そこで今回は、耐震診断の必要性や診断の流れについて詳しく解説します。


1. なぜ耐震診断が必要なのか?

日本は世界でも有数の地震大国です。特に、昭和56年以前に建てられた家(旧耐震基準)は、現行の耐震基準を満たしていない可能性が高く、大地震で倒壊するリスクがあります。

過去の地震被害を振り返る

阪神・淡路大震災(1995年)や熊本地震(2016年)では、多くの木造住宅が倒壊しました。特に昭和56年以前の旧耐震基準の建物は被害が大きかったことが分かっています。これは、当時の基準では「震度5程度の揺れに耐えられればよい」とされており、震度6や7の大地震には対応していなかったためです。

現在の耐震基準(2000年改正)では、震度6強~7でも倒壊しないことを目指しており、旧耐震基準の建物は耐震補強が強く推奨されています。


2. 耐震診断の対象となる住宅

耐震診断は、すべてのお家にとって重要ですが、特に以下のようなお家にお住まいの方は早急な診断をおすすめします。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた住宅(旧耐震基準)
  • 地震の際にひび割れや歪みが発生した住宅
  • 築年数が古く、リフォームなどを行っていない住宅

自治体によっては、旧耐震基準のお家に対して無料または補助金付きの耐震診断を実施しているところもあるため、一度確認してみると良いと思います。


3. 耐震診断の流れ

耐震診断は、大きく分けて以下の流れで行われます。

(1)事前相談・申し込み

まずは、自治体や建築士事務所、工務店などに相談します。自治体の補助制度を利用する場合は、事前の申請が必要なこともあります。

(2)現地調査

建築士や専門家が実際に住宅を訪問し、以下の点を調査します。

  • 建物の構造(木造・鉄骨造・RC造など)
  • 築年数や建築時の設計図面の有無
  • 柱や梁の太さ・接合部の強度
  • 基礎の状態(ヒビや劣化の有無)
  • 屋根や外壁の重さ・劣化状況
  • 壁の配置(耐力壁のバランス)

特に、木造住宅では耐力壁の配置や老朽化の状況が耐震性に大きく影響します。

(3)診断結果の報告

調査結果をもとに、「上部構造評点」と呼ばれる耐震性能を数値化した結果が報告されます。

上部構造評点 耐震性能の目安
1.5以上 十分な耐震性がある
1.0~1.5 ある程度の耐震性があるが、改修を検討
0.7~1.0 地震で倒壊する可能性があるため、耐震補強が推奨される
0.7未満 大地震で倒壊の危険が高い(耐震補強が必要)

この結果をもとに、必要に応じて耐震補強の計画を立てます。


4. 耐震補強の方法

耐震診断の結果、補強が必要と判断された場合は、以下のような方法で耐震補強を行います。

(1)耐力壁の増設

耐震補強で最も一般的なのが、壁の強度を高める補強です。筋交いを入れたり、合板を張ることで建物の耐震性を向上させます。

(2)基礎の補強

古い家では、基礎が無筋コンクリート(鉄筋なし)だったり、ひび割れが生じていることがあります。こうした場合、基礎の補修や補強が必要になります。

(3)接合部の補強

柱や梁の接合部分が弱いと、地震時に建物が崩壊しやすくなります。補強金具を取り付けることで強度を高めます。

(4)屋根の軽量化

瓦屋根などの重い屋根は、建物の重心が高くなり、揺れが増幅しやすくなります。軽量な屋根材に交換することで、地震時の負担を軽減できます。


5. 耐震診断を受けるべきタイミング

次のようなタイミングで、耐震診断を受けることをおすすめします。

  • 築40年以上の住宅に住んでいる場合
  • 中古住宅を購入する際
  • 過去の地震でダメージを受けた可能性がある場合
  • 家のリフォームを検討している場合

特にリフォームのタイミングで耐震補強を行うと、費用を抑えながら安全性を高めることが可能です。


田中建築での耐震診断

田中建築でも耐震診断を行うことができます。専用のソフトで計算すると視覚的にわかりやすく耐震性能を把握することができます。

耐震性能が0.7未満の家はこのように倒壊する可能性があります。

お家の安全性を確保するために非常に重要なので、特に旧耐震基準のお家にお住まいの方は、リフォームなどのタイミングで耐震補強を行うことで、地震のリスクを大幅に減らすことができます。

自治体の補助制度も活用しながら、「もしも」のときに備えて、安全な住まいづくりを進めましょう。耐震診断のご相談にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

私たち田中建築株式会社は、 「家づくり」を「幸せづくり」にするという信念があります。
それを実現するための方法は、生涯に渡るお金の計画を立て実行すること、
自然素材を使ってデザインされた高性能な木の家を建てることだと信じています。
同じ志を持った協力業者と共に お客様の思いに寄り添う、顧客密着の工務店です。

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