長野で民泊事業をするなら・・・。

　近年、インバウンドの増加に伴い、民泊の需要が高まっています。特に弊社近隣のスキー場、野沢温泉、斑尾高原、戸隠高原、黒姫高原、妙高杉ノ原などは今後開発が進むことが明らかなため、ご相談いただくケースも増えています。民泊を運営するためには、快適性や安全性を確保するための工事が必要になりますが、田中建築では、宿泊者が安心して利用できる空間づくりをお手伝いしています。今回は、民泊向けの主な工事内容、法的要件、コストの目安について詳しくご説明します。

1. 民泊に必要な工事の種類

民泊を成功させるためには、以下のような工事が必要になる場合があります。

(1) 内装リフォーム；宿泊者にとって快適な空間を作るため、内装を整えることが重要です。

壁紙や床の張り替え：清潔感を出し、デザイン性を高める
キッチン・バスルームの改修：長期滞在にも対応できる設備を導入
収納スペースの確保：スーツケースが広げられるレイアウト設計
スキー、スノボのメンテナンスの場所

(2) 防音対策；民泊は近隣とのトラブルを避けるために防音性能の向上が求められます。

壁や床の遮音工事：防音材を使用し、音の漏れを防ぐ
窓・ドアの防音強化：二重サッシや防音カーテンの導入

(3) セキュリティ設備；宿泊者と物件の安全を守るため、以下の設備を設置します。

スマートロックの導入：鍵の受け渡し不要でチェックイン可能
防犯カメラの設置：玄関や共用スペースの安全管理
火災報知器・消火器の設置：消防法を遵守した安全対策

(4) 設備・インフラ整備；快適に滞在できるよう、以下の設備を整えます。

Wi-Fiの導入：観光客にとって必須の設備
空調設備の強化：エアコンや換気設備の最適化
給排水工事：老朽化した配管の交換や水回りのリフォーム

2. 法律・許可に関する対応

日本では、民泊を運営するために「旅館業法や住宅宿泊事業法（民泊新法）」に適合する必要があります。田中建築では、法的基準を満たすための工事も行っています。

(1) 消防設備の整備；民泊施設には消防設備の設置義務があります。

自動火災報知機の設置
誘導灯・避難経路の確保

(2) 住宅宿泊事業法（民泊新法）に対応；年間の営業日数が１８０日以内の民泊では、以下の基準を満たす必要があります。

換気・採光の確保
宿泊者の快適性を考慮した設備改修

(3) 旅館業法に対応；１８０日以上の宿泊を対象にするためには、旅館業の許可が必要

旅館業では住宅の場合用途変更が必要
用途地域、現行の耐震性、断熱性が求められるためかなりハードルが高い

3. 費用の目安

工事費用は物件の状態やリフォーム内容によって異なりますが、以下が一般的な目安です。

工事内容	費用目安
内装リフォーム（壁紙・床張替え）	５０万～２００万円
キッチン・バスルーム改修	１００万～３００万円
防音対策	３０万～１５０万円
スマートロック・セキュリティ工事	５万～　５０万円
消防設備の設置	２０万～１００万円